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これからの教育の行方~次期教育振興基本計画策定の中で~

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【今回のメルマガテーマ】
これからの教育の行方~次期教育振興基本計画策定の中で~

現在文部科学省では、今後5年間の教育に関する政策目標を明示し、目標達成のための施策を示す次期教育振興基本計画策定に向けた検討が進んでいます。第4期となる今回の対象期間は2023~2027年。

計画策定にあたって示された基本的な方針は(1)日本型ウェルビーイングの向上・共生社会の実現に向けた教育の推進 (2)社会の持続的な発展を生み出す人材の育成 (3)地域や家庭で共に学び支えあう社会の実現に向けた教育の推進 (4)教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 (5)計画の実効性確保のための基盤整備・対話 の5つです。

こうした方針が示される背景には、目の前にある「VUCA」と表される社会の変化があります。少子高齢化や人口減少、グローバル化の進展と日本の国際的な地位の低下、格差の拡大といった社会課題に加え、新型コロナウィルス感染症拡大による影響やロシアのウクライナ侵攻による国際情勢の不安定化という、正解のない課題にいかに向き合い、解決していくべきか。方針の根底には、こうした課題を解決していく人材育成の必要性があります。

5つの方針の具体的な内容としては、中教審答申「令和の日本型学校教育」で提言された個別最適な学びと協働的学びの一体的充実やICT環境の効果的活用なども含まれています。また、「主体的対話的で深い学び」に基づく授業改善やグローバル人材育成や持続可能な社会の志向、多様な才能・能力を活かす教育の実現、教育データの分析・利活用などの教育DXのさらなる推進も明記されています。そして、喫緊の課題である教員の働き方改革も。

今回の計画の方針に対して、経団連は先ごろ「文理分断からの脱却」などの優先施策を示し、重要な目標値として「学習者用デジタル教科書の整備率を90%」「遠隔・オンラインと対面とのハイブリッド型授業が実施可能な小中高等学校の割合を100%」などを提言しています。

皆さんが提言するとすればどのようなことでしょうか。これからの教育のあり方に正解はなく、私たち自身がエージェンシーを発揮し、様々なステークホルダーと協働しながら試行錯誤を重ね、よりよい解を求めていくほかはありません。その意味においても、次期教育振興基本計画策定の動向を注視し、時に声をあげていくことも必要なのではないでしょうか。

少し先を見つめ、目の前の生徒たちが社会に出ていく姿を思い浮かべ、これからの教育のゆくえを考えてみませんか。

(執筆: 森上教育研究所アソシエイツ 高橋 真実)

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